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2009年10月12日 (月)

吾妻小舎の紹介

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 私(近藤 饒)の秋葉関係のメールを見ていただいている方から、是非紹介して欲しい
ということで筆をとりました。私も十数年前の会のバスハイクでこの小屋を知っていまし
た(私達はテント泊でしたが)。
 吾妻山系にある素朴な山小屋です。場所は福島市の西方にある磐梯吾妻スカイライ
ンのほぼ中央に位置する浄土平(じょうどだいら)から徒歩でおよそ15分、観光地にほ
ど近いにもかかわらず静かで落ち着いた雰囲気が残されています。
 その方からの紹介文の一部「吾妻小舎は磐梯吾妻スカイライン開通で車でアプロー
チできるようになったために、吾妻小舎の宿泊客は激減しました。皆、車でやってき
て浄土平を散策したあと、温泉宿に泊まるからです。ご主人がいる間に一人でも多く
の人に泊まりに行って欲しいのです。山を愛する一人の人間の思いとして理解して頂
き、訪れて頂けるなら本当に有難いと思います。」
 ネットでも紹介されていますのでご覧ください。一泊2食付で7500円です。吾妻小
屋の営業期間は4月の連休から11月初めの連休までと、年末・年始及び1月~3月
の週末・祭日で、その間の連絡は0245-91-3173、期間外の連絡は0245-91-3186。
添付ファイルの文だけのががその方からの、それ以外はネットから拾いました。
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  発信  近藤 饒 (ゆたか「ほうじょう」から変換)
    〒434-0026 浜松市浜北区東美薗1553-20
    ℡053-587-1640 携090-7612-1163
    浜北勤労者山岳会所属  よみがえれ秋葉古道の会 世話人
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吾妻小舎

                          2009年7月

浄土平レストハウス、ビジターセンターの大駐車場から徒歩10分、こんもりと茂った兎平の森の中に時代から取り残されたように、ひっそりと佇む吾妻小舎があるのをご存知だろうか?

磐梯吾妻スカイラインができてからは宿泊者も減り、先週訪れた時にも収容人数40名の小舎に宿泊客は、たったの6名だけであった。何人かは常連であり、ご主人の遠藤守雄さんの事を皆、「守雄ちゃん!守雄ちゃん!」と呼んでいた。   

守雄ちゃんは、山小屋のご主人にしてはひ弱な感じだが、訪れた人すべてを心から思いやる、その笑顔はこの小舎に縁あってたどり着いた者の心を捕らえてはなさない。

初対面の時、私が「ご主人も山や?」と尋ねると、「いや~、昔は登ったけれど、小屋をやってからは時間がなくてね。いいんだ。私は人が好きで山小屋をやっているんだから。」と口の中でモソモソと呟きながら、はにかんだ少年のように無垢な笑顔を見せた。

磐梯吾妻スカイラインができる前、ここは吾妻連峰登山の中継基地だった。土湯から6時間の行程、高湯からは一切経までの標高差1200mを越えなければ、浄土平には来られなかった。今でも厳冬期、スカイラインが通行止めになるとラッセルしながらたどり着いた登山者にとって吾妻小舎の灯りは有難い。しかし、このままだと、いずれ吾妻小舎は廃業に追い込まれるだろう。

「俺たちは、守雄ちゃんが好きだから、ここに泊まりに来ているんだよ。この小屋は究極の山小屋なんだ。なくなったら困るんだよ。」と常連の一人が力説する。

小舎は何十年もの風雪に耐えながら、それでもシャンと背筋を伸ばして空に向かって建っている。入口にはオレンジ色の救助用スノーボードがしっかりとザイルで固定されている。このスノーボードは救急車の入れない冬季、いったい何人の命を救ったのだろうか。守雄ちゃんは厳しい吾妻連峰の大自然に向かい、静かに微笑みながら20年もの間、人のぬくもりを守り続けてきた。

「いいんだよ。スカイラインができたって。人はいつかは老いるんだ。いつまでも健脚ではないんだ。昔、スカイラインがない頃に縦走してこの小舎を訪れた登山者たちが、80歳、90歳になり今は車で吾妻小舎にやってきてランプの下で健脚だった当時の思い出に浸る。これも意味のある事だ。吾妻小舎は、『山や』の心のふるさとなんだよ。」と常連。

守雄ちゃんは膀胱がんである。痛みが激しく夜も良く眠れない。それでも客人のために毎朝早く起きて朝食準備をする。夜、消灯の後も常連たちがランプの下で酒盛りをしていると端っこの方に無言のまま微笑んで座っている。

いつか、守雄ちゃんの命の灯は消えてしまうかもしれない。でも、吾妻小舎の灯は絶対に消してはならない。たとえ浄土平にホテルが立ち並んで一大観光地になろうとも吾妻小舎の灯を消してはならない。と心底思う。

出発の朝、守雄ちゃんが不調の体を引きずるようにして、見送りに出てきてくれた。「また、来るから。」と言って握手すると、守雄ちゃんの手は弱弱しく握り返してきた。胸が一杯でそれ以上喋れなった。私は何度も振り返った。守雄ちゃんは古びた吾妻小舎に寄り添うように立ち、やはり静かに笑っている。

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珠玉のような吾妻小屋

 地図によればこの小屋は、磐梯・吾妻スカイラインの兎平駐車場付近にあるはずだが、標識がない為に通り過ぎて、浄土平まで行きまた引き返して探したら、 “新奥の細道…吾妻小屋へ”の手書きの小さな標識を見つけた。

 深い積雪の上を微かな踏み跡を辿り、藪を分けながら10分ほど歩いて小高い山を回り込むと、松林の中にこの小屋はひっそりと佇んでいた。
(正規のルートは兎平から)。

 外観も内装も歴史を物語るような、味わいのある Woody 調な作りで、屋内の照明はランプだ。管理人の遠藤さんご夫妻の穏和な飾らぬ人柄もよい。寝具もトイレも清潔そのもの。談話室においてあるお茶は上等の緑茶だった。

 山菜ずくめの夕食もうれしかった。蕗のとう・ヨモギ・ウドの葉・ゼンマイ・コシアブラ・カンゾウ等(皆さんこれらがどんなものか想像できますか?)の胡麻酢あえ・天麩羅・味噌漬け等々の早春の香りは、大都市の人間には珍しいものばかり。朝食も動物性蛋白質以外に野菜が充分に盛りつけてあった。

 当日の宿泊客が5人だったこともあって、“どこでもお好きな所に寝て下さい”には驚いた。夜通しストーブの火を絶やさぬ配慮も有り難かった。

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 さりげないながらも、そこに一期一会”のもてなしを見、今回の山旅に爽やかな思い出を残してくれたことに、深い満足感を持って山を下りることができた。

 吾妻小屋の営業期間は4月の連休から11月初めの連休までと、年末・年始及び1月~3月の週末・祭日で、その間の連絡は0245-91-3173、期間外の連絡は0245-91-3186。

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